google.com, pub-6717446218795968, DIRECT, f08c47fec0942fa0 読書感想文「アーモンド」ソン・ウォンピョン著 - がとーほーむ G-43QD9YVZHH

読書感想文「アーモンド」ソン・ウォンピョン著

読書感想文

アーモンドの読書感想文です。女子目線で書いてあります。賞は取れないですがクスっと笑えてクラスで回し読みされそうなレベルです。

※商業利用では使わないようにお願いいたします。(売ったり、講義に使うなど)

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読書感想文の例

   「アーモンド」を読んで

○年○組 ○○ ○○

 この小説の主人公は感情がありません。それって私もよく言われるので共感を持てるって感じました。しかし、私のそれとは全く違う次元での感情が無い主人公でした。

 私の場合は、クラスの女の子たちがもの凄いテンションで大騒ぎをしているのを横で少し相槌をしていると、「感情無さ過ぎ~」と友達から言われてしまいます。だって、消しゴムが可愛いって理由だけで私はそこまでテンションを上げられないから。そんなテンションになる時は、推しの男子から壁ドンされて見つめ合う想像から解放された時の私のテンションに匹敵するレベルだから。きっと、周りの感情表現が高すぎて私が付いていけないだけで、私は至って普通なのだと思う。

 しかし、この小説の主人公はそんなレベルではありません。先天的に脳の偏桃体と言う部位が小さく感情を理解することが出来ないというのです。本物のポーカーフェイスです。でも、くすぐられると笑います。どうやら、感情と刺激は回路が違うようです。偏桃体の形がアーモンドの形に似ていることから本のタイトルになっています。ですので、主人公の母親はアーモンドを食べさせて主人公の体質を改善させようとします。その理屈ですと、綺麗なお尻を目指すために桃を食べるや、肌ツヤを良くするためにゆで卵を沢山たべるとなりますが、結果は分かります。あえて言うなら、太るだけです。もちろん、アーモンドを食べた主人公の体質も改善されることはありませんでした。

 ある日、主人公の目の前で衝撃的な事件が起きます。おばあさんと、お母さんと3人で出かけた時に、通り魔が刃物とハンマーでおばあさんを殺害して、お母さんを寝たきりの状態にさせてしまいます。おばあさんに守られた主人公は、その惨劇の中でも無表情に立ち尽くして見ているのです。ここの表現は驚きました。この本の視点は主人公の表現となっているので、感情表現が無く、客観的な解説の様になっていました。普通であれば、猟奇的な場面は目を覆うような表現となることが多いですが、この本はいつもと違うので残虐なシーンのはずなのですが描写が少なく私の脳内で悲惨な現場を想像することとなり、ある種違った恐怖感がありました。

 主人公はゴニと言う友人ができます。ゴニは主人公とは正反対に感情をそのまま表現するような人物でした。感情自体が分からない主人公はゴニの感情をそのまま表現することが、分かりやすいと感じて興味を持ちます。そして、ゴニも感情が無い主人公に対して興味を持つのです。お互い無いものに興味を記す訳です。その気持ち良く分かります。私の友だちも可愛い消しゴムを見てお祭り騒ぎをするくらいだから、私には考えられませんが一緒にいると楽しいのです。彼女たちを見ていると私も嬉しくなります。だけど、クラスの男の子が良く分からない昆虫を捕まえて大騒ぎしている姿を見ても、なんとも感じません。むしろ、何とかして昆虫を捕まえないで欲しい。なぜに虫を捕まえて誇らしげになれるのか不思議です。人は自分にないものを求めてしまうということが分かりますが、例外もあることも分かりました。それは、自分に無いものとは違い、自分が欲しい物、格好良く言うと「人は己が渇望する物に心解する」って感じでしょうか。求めるものに対して心が開けるのだと思います。

 ただ、ゴニが虚栄を張るタイプなんです。悪い人に憧れちゃう人種なんです。そこが不思議なんです。悪いことや悪態をついて『俺様って凄いだろ?』と、人に言わせようとする人種で、私はちょっと苦手なタイプです。そういう人の「悪い奴はだいたい俺の知り合いだから」みたいな言い方って何でしょう。悪い奴コミュニティというのが存在するのでしょうか?それって、逆もあるのでしょうか。良い人コミュニティ。そこってどんなところだろう・・・宗教的な匂いしか感じませんが「この辺のいい人は大体僕の知り合いさ」っていう人は逆に聞いたこと無いです。いや、私の人生経験不足なだけかもしれませんが、そんな人がいても逆に怪しすぎて近寄れない。

 主人公は感情が芽生えてきます。女の子の髪の匂いに胸の高鳴りを感じるのです。

 よしっ。髪の毛伸ばして匂いの強いシャンプーに変えて、歌舞伎役者の様に髪の毛をブンブン振り回しながら学校の廊下を練り歩こう。思春期の男共を手玉にとれる時代が私にもくるんじゃないの?でもまぁ、行きつくところは生徒指導室でしょうけど。

 最後は主人公がゴニを助けて死にます。と思いきや生きています。愛情、友情を分かることが出来て泣けます。

 私も推しの〇〇キュンに後ろから「もう放さないよ」と言われて抱擁でキュン死にです。でも生きてるそれと一緒。いや、違うか。



まとめ

この物語はフィクションです。本当っぽいですけどね。

扁桃体(アーモンド)が人より小さく、怒りや恐怖を感じることができない十六歳の高校生、ユンジェ。
そんな彼は、十五歳の誕生日に、目の前で祖母と母が通り魔に襲われたときも、ただ黙ってその光景を見つめているだけだった。
母は、感情がわからない息子に「喜」「怒」「哀」「楽」「愛」「悪」「欲」を丸暗記させることで、なんとか”普通の子”に見えるようにと訓練してきた。
だが、母は事件によって植物状態になり、ユンジェはひとりぼっちになってしまう。
そんなとき現れたのが、もう一人の”怪物”、ゴニだった。激しい感情を持つその少年との出会いは、ユンジェの人生を大きく変えていく──。

怪物と呼ばれた少年がによって変わるまで。


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