google.com, pub-6717446218795968, DIRECT, f08c47fec0942fa0 読書感想文 箱男 - がとーほーむ G-43QD9YVZHH

読書感想文 箱男

読書感想文

原稿用紙5枚分 2000文字
何故か段ボール箱を被って街中を歩き回る男のお話し。

面白おかしな話かと思いきや、共感できるところがあって受け入れる所まであります。

有名な本です。


概要

存在証明を放棄することで彼が求め、そして得たものは?
贋箱男との錯綜した関係、看護婦との絶望的な愛。

輝かしいイメージの連鎖と目まぐるしく転換する場面(シーン)。
読者を幻惑する幾つものトリックを仕掛けながら記述されてゆく、
実験的精神溢れる書下ろし長編。

箱に入りたくなります。スーパーで段ボールを見た時に
「これで、つくれるかも」と、想像してしまいました。

はっきり言って、後半は変態です。

参考にする方は上手く切り取ってください。もちろん丸写しOKです。

商業利用では使わないようにお願いいたします。(売ったり、講義に使うなど

  ©がとーほーむ


感想文の例

「箱男」段ボールメタバース 

         〇年〇組 〇〇 〇〇

 安部公房の「箱男」を読み、主人公の冷静な目で人々を観察する鋭い視点に、私とは違う思考であり、ものの考え方のギャップに心を打たれました。1980年代に書かれている作品ですが、現代でも物語の登場人物の考え方や行動においては、当てはまるものがあるのではないかと感じました。

 主人公の独特な生き様や、哲学的思考に引き込まれ、通常考えられる人々の日常行動とは、一線を画す生活スタイルが、実は人々の抱える心の葛藤や、孤独を浮き彫りにしていることに気づかされました。

 物語は、男が自らを大きな箱に閉じ込めて生きる様子を描いて始まります。この異様な行動を選択した背後には、都会の雑踏や社会の中での自分の立ち位置、そして、人間関係や情報過多の中での疎外感に対する男の独自の考えや感情が潜んでいます。

 私は、彼が箱に身を包むことで現代社会の情報や、他者の目からのプレッシャーなどから解放される為の行動なのだと感じました。

 ただし、共感できるかとなると、疑問が残ってしまいます。なんと言っても、生活する上で不便この上ないです。

 当時の情報量と現代の情報量のスピードを比較すれば、ネット環境やソーシャルメディアの普及により、更に情報過多の時代になっています。他者との関係や自己評価に疲弊する現代人として、彼の選択は一種の解放や自由を求めるものとして映りました。

 箱男を現代風の名前にするとしたら、「移動式ひきこもり」や、「リアルメタバース」という名前が思い浮かびました。

 物語が進むにつれて、彼の箱の中での日常や感じること、考えることが繊細に描かれています。箱の中からの独特の視点で捉えられる都会の風景や人々の生活は、日常的に感じている景色や生活とは一味違ったものとして描かれています。その中で彼が抱く疑問や感じる孤独感は、現代社会に生きる人たちが抱えるものと重なる部分が多いように感じました。ただ、疑問に感じる所は、社会や人との関わりを遮断したいのであれば、田舎の山奥で過ごせば、箱を被って不便な生活をしなくても良いのです。しかし、彼はあえて不便な生活を選択しています。なぜ、そのような選択をしたのかを考えると、いくつかの理由があることが分かりました。純粋に箱の中が好きという理由。子供の頃に大きな段ボールを見て、気分が高揚して、秘密基地を作った経験があります。名前に「秘密」と付いていましたが、リビングの目立つ場所で完成後には親を呼んで見せびらかした秘密基地です。その時と同じように主人公の男は少年時代の高揚感を味わうために箱男となったのかもしれません。私なら段ボールを装着後に「こいつ…動くぞ!」と言った後に「行きまーす!」と叫んでガンダムのマネをするかもしれません。

 その他の理由としては、その場所に居なければならない理由があったのかもしれないです。都会に住んでいる人は、ストレスで精神的にも肉体的にも疲弊して衰弱している場合があります。そんな免疫低下状態のときに箱男を目撃して、何らかの接触を行った場合、箱男になるように感染する病原菌やウイルスなのかもしれないです。病原菌の存続の為に、人ごみの中でしか行動しないように組み込まれていて、過疎地に行かないように思考が固定されてしまう病気なのかもしれません。

 俗世間から隔離することにより、法曹の悟りのような境地になるのかと思いきや、段ボール越しに世間を見ることにより、男の性癖が爆発しているように感じました。女性への足への執着や、初めて知ったのですが、露出狂という、自分の裸を世間に見てもらいたいと言う性癖、世間と隔離をしている箱男とは真逆の精神状態になっています。しかも、そ

の描写がかなり、綿密で濃厚なものなのです。やはり、人は我慢し過ぎると、とんでもないことを想像してしまうのだと感じました。私はそれを「我慢の向こう側」と命名しました。ストレスと同じで、我慢を貯めすぎると悪影響を及ぼすのです。

 現代では、繋がりや情報を強く意識する生活です。それは、ネット環境のある場所で、スマホがあれば、いつでも友人と連絡を取れるからです。SNSがあれば、テレビで編集された情報よりも早く、リアルタイムで情報を入手することも可能です。そこには政治的意思も無く、ありのままの情報があります。ただし、そこを利用して、不確かな情報を送る人達も存在します。お金儲けや、美容系などは真実があるのか不明です。箱男の世界観を読み、様々な洞察が出来るようになりました。物語の世界観に引き寄せられました。哲学的な要素も面白く、今後の自分の生き方に、良い方向へ影響させていきたいです。


youtube


終わりに

誰もが段ボールを加工して、遊んだり、便利なものを作ったりした

経験があると思います。

しかし、そんな身近なもので奇妙な行動を起こして、
心の葛藤や、社会の不満などを問いかけてくる作品が

読み手の気持ちを試すような変な気持ちになりました。

読み応えのある作品だと思います。


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